時刻表を眺めていて、なんとなく乗ってみたい列車があった。
それは北海道第二の都市、旭川から日本最北端の稚内へと向かう普通列車で、259.4キロを6時間4分かけて走るロングランの列車だ。
時は2023年11月15日。
「JALのセール」「宗谷線の各駅存続問題」「JR北海道で乗り潰していない路線が宗谷線だけ」という事態が重なり、このタイミングしかない!と言うことで乗りに来たのだ。
前日から旭川入り。321Dの旭川発車時刻は6時3分で、当然早起きを強いられる。
改札を通り、列車の入線まで時間を潰す。
程なくして321Dが入線。キハ54とキハ40の2両編成。
サボ。羊のイラストが可愛い。(この後稚内駅でミニキーホルダーが売ってたから買った)
旭川を定時に発車し、いよいよ稚内まで6時間4分の旅がスタート。
和寒や剣淵などでは学生が列をなして列車の到着を待っており、一定の通学需要が伺える。どういう理由か殆どの利用者は2両目のキハ40へ移動していた。
名寄に到着。ここでキハ40は切り離しとなる。13分の停車。
写真には収めていないが、ホームの自販機でちょっとした食料を買った。ソイジョイやカロリーメイトが買えるもので、石北線の遠軽駅にも同じような自販機があった。
本当は旭川駅ホームのセブンイレブン自販機で食料を買うつもりだったが、まだ営業時間前だった。
切り離し作業が終わり、名寄からは4323Dとしてキハ54単行で稚内を目指す。
いよいよ名寄以北は人家も疎らとなり、道北の手付かずの風景が多くみられる区間となる。
美深に到着。旧国鉄美幸線の起点駅。終着駅である仁宇布(にうぷ)の語感が好き。
本来ならばここで稚内を5時21分に出た4324Dと交換するはずなのだが、列車が来ないまま発車してしまった。
豊清水信号場で運転停車。結局ここで遅れている4324Dと62D(サロベツ2号)の交換を行うようだ。
先に62D、その次に4324Dと交換し25分遅れで発車。2年前までは信号場ではなく駅だったので、ホームに出て気分転換できたんだろうな、とふと思う。
乗降はなく、黒いそばで有名な音威子府そばも今や昔の話。一度食べてみたかったなぁ。
幌延に到着。結局9分遅れで到着したが、もともと23分の停車時間があるため遅れは全て回復したことに。
旭川から乗ってきて一番停車時間がある駅なので、数名の乗客のほとんどがホームに降りて気分転換をしていた。
幌延からは列車番号が4325Dとなる。稚内まであと1時間ちょっと。
豊富に到着。4326Dと交換。駅の隣に保存してある旧型客車が痛々しい。
車窓からは利尻富士がうっすら見えた。さっきまで日も射してて天気良かったんだけどなぁ。
12時7分、稚内駅に到着。言わずもがな日本最北端の駅である。
宗谷岬に行ってみようかと観光案内所の人に聞いたら「今日の宗谷岬は何も見えない。風が強いだけだからやめとけ(意訳)」と言われ断念。食事を摂ろうと思って街を歩いても水曜定休のお店の多いこと。
結局、稚内港北防波堤ドームを見物したぐらいで、あとは帰りの特急宗谷までひたすら駅周辺を彷徨うのでした。